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Dr.倫太郎 1話の感想で脚本を暗に批判したが、中園ミホさんの
代表作である「花子とアン」「ドクターX〜外科医・大門未知子〜」
はじめとして何一つ見た事がない。
中園ミホさんはどのような脚本家なのか知らない癖に批判するのは
間違っていると思い、ドラマ通の友人に彼女の作品について尋ねた。
「20年くらい前はドロドロの不倫物ばかり書いていた人やわ。
本人も不倫して未婚の母やからそんなドラマが得意やねん。
そんな人が倫太郎の脚本を書くなんて意外やったわ。」
知らない方が良かった情報を友人は私に与えてくれて
中園ミホさんに対する印象は悪くなるばかり。
友人の情報を無視して調べてみたところ、
女性の本音を赤裸々に描いて高い評価を受けてきた方らしい。
もしかして男性が主人公のドラマの脚本は初めてなんだろうか。
それが「Dr.倫太郎」を見てもどかしく感じる理由かもしれない。
いや、脚本がいまひとつでも堺さんさえ良ければ満足していた。
「Dr.倫太郎」に満足出来ない理由は
堺さんの演技に迷いがある為ではないか。
名優の誉れ高い堺さんの演技についてお前如きが何を言うのか
とお叱りを受けるのを承知で言う。
倫太郎のキャラクターが定まっていないせいか、
堺さんの演技には迷いがある。
患者の心に寄り添う心優しき精神科医と思えば
ちらほらと古美門が顔を出す。
どっちともつかずのキャラクター、それはやはり脚本の悪さに原因がある。
ストーリー
倫太郎(堺雅人)は研修医の福原(高橋一生)から
対話精神療法のロールプレイングを依頼されるが、
それは川上(高梨臨)に対する恋愛相談だった。
その最中、「恋愛は一過性の精神疾患のようなもの」
と言い夢乃のことを思い出す。
ある日、倫太郎は円能寺(小日向文世)から
最新作が酷評され精神不安定になっている
有名作家の風間(辻萬長)を紹介される。
料亭で風間と会っている最中、彼を長年支えてきた
秘書のむつみ(堀内敬子)に対し「むつみにそっくりな別人だ」
と言って暴れ出し、負傷して慧南病院へ運ばれる。
宮川(長塚圭史)は風間の症状について妄想型統合失調症だと
診断するが、倫太郎は宮川の診断に異論を唱え
風間の話を聞きに行く。
最新作の主人公はムササビに恋をする。
ムササビはまだいるかと尋ねる倫太郎に
風間は「今はもう見えない」と答える。
一方、倫太郎は夢乃(蒼井優)からデートに誘われる。
デートの最中にるり子(高畑淳子)から金の無心をされた
夢乃は倫太郎に父親の手術に300万円が必要だと嘘をつく。
倫太郎はお金は自分がなんとかするからと告げ、
300万円を30回に分けてATMから振り込む。
入院中、腹痛を訴えた風間の胃を調べたところ指輪が見つかる。
風間の胃にある指輪はむつみにプレゼントした物だった。
倫太郎は秘書のむつみ(堀内敬子)を呼び、
むつみに風間の前で柿ピーナッツを食べるように促す。
むつみがピーナツアレルギーと知っている風間は
動揺し食べないように懇願する。
風間は彼女が本物である事を分かっていた。
風間にとってのムササビは15年間にわたり
創作を支え続けてくれたむつみのことだった。
作家の風間が長年支えてくれた秘書のむつみをムササビに例えて
心密かに愛していたくだりは心温まる話で素敵だ。
しかし、倫太郎が病気の原因を探るため
風間やむつみと話し合う場面はあっさりと終わってしまった。
恋愛ドラマ、医療ドラマ、コメディ、
2つも3つも成り立たせるには無理がある。
倫太郎と夢乃の恋愛話は程々にして患者と対話する場面を増やせば
ドラマに厚みが出て面白くなると思う。
堺さんをはじめとして演技力ある素晴らしい俳優陣の見せ場が少なく
このままでは勿体ないことこの上ない。
「リーガルハイ」から1年半振りで堺さんの連続ドラマ Dr.倫太郎
が見れると分かった時は小躍りして喜んだが、
その役が精神科医だと知り少々落胆した。
鳴海先生や速水先生のように何故メスを持たない
堺さんは優しげな外見とは裏腹に
内面には激しい感情と鋭い感覚を持っていると思う。
ツイッターで或る方が狂気の堺さんが好きと仰っていたように
温和な役より激しさを秘めている役の方が魅力的だ。
ところがよりにもよって今回は精神科医の役とは。
デリケートな問題を抱える精神科を舞台にして
一歩間違えるとクレームになりかねない。
きちんと描けるのか?と危惧していたが、
患者が抱える病に対し表面的な対処法で終わってしまった。
「Dr.倫太郎」が現場(精神科)に一石投じる内容なら
もっと面白いドラマになったかもしれないが、
そのような冒険はしないだろう、端から視聴率狙いのドラマなんだから。
日テレが社運賭けたドラマに出る理由
脚本家が心の病を探求しない事を誤魔化すためなのか
無闇矢鱈に豪華なキャストに伏線だらけのこのドラマ、
2話以降どのようになっていくのか面白い展開を期待したい。
ストーリー
患者の話を丹念に聞き、傷ついた心に寄り添うことで
病める心を解きほぐす精神科医、日野倫太郎。(堺雅人)
ある日、行政府報道長官の池(石橋蓮司)の診療を終えた
倫太郎はOLの阿川繭子(近藤春菜)が屋上から
飛び降りようとしている現場に遭遇する。
倫太郎に救われたことから彼の患者として関わっていくが、
一度目の来院では心を閉ざして
倫太郎から逃げるように去ってしまう。
繭子の飛び降り自殺を止めた一件はニュースになりマスコミは
慧南大学で教鞭を取っている倫太郎の元に押し寄せる。
その夜に倫太郎は大学の理事長・円能寺(小日向文世)
との会食で新橋の売れっ子芸者、夢乃(蒼井優)と出会う。
この出会いが倫太郎の人生を狂わしていく。
それから数日後、職場に復帰した繭子は同僚のいじめが
切っ掛けで過呼吸で倒れ、救急車で運ばれる途中に
彼女の希望により倫太郎の元に搬送される。
繭子に氷を握らせ痛みを感じさせながら体温で溶けていくのと
同じように痛みも去っていくと語る倫太郎。
「どうして嫌われたのか!?」と泣き出す繭子に
いじめの原因は同僚の嫉妬だと語る。
その後、倫太郎は満開の桜の下で夢乃と再開する。
倫太郎は夢乃に声を掛けるが、無視して去っていく。
呆然と立ちすくむ倫太郎……
倫太郎が患者に接する時の優しげな話し方に堺さんファンだったら
癒され魅了されるだろうけど、私は今ひとつ馴染めなかった。
精神科医にお目に掛かった事はないが、
あのように抑揚のない話し方をするんだろうか。
倫太郎の口調は一般的な精神科医のイメージを損なわないよう、
当たり障りのない所で手を打ったように思えてならない。
勿論、堺さんの演技は素晴らしい。
半沢直樹や古美門と倫太郎が同一人物とは…その演技の幅に驚嘆した。
問題は脚本と演出で、肝心のところで尻切れトンボ。
倫太郎は繭子が同僚にいじめられた動機は嫉妬だと告げる。
傷ついた繭子の心を倫太郎がどのように修復していくんだろうか?
と見ていたらその後はなかった。
いじめの原因が嫉妬だなんて私でも分かる。
心の病の治す重要な部分は避けたわけだ。
主要キャストと物語の枝葉を半分にしてでも患者の心の闇に向き合い
解決していく倫太郎の姿をじっくりと描いて欲しかった。
今まで散々文句を言ってきたが、そうではない所もある。
倫太郎は天敵・宮川教授(長塚圭史)によって椅子に縛られたまま
羊羹を食べる場面、その愚痴を先輩の荒木(遠藤憲一)に
叫ぶ姿は古美門を彷彿させ面白かった。
これからは医療コメディと思って見れば良いかもしれない。