2014年12月の記事 | スリジャヤワルダナプラコッテ(仮)

スリジャヤワルダナプラコッテ(仮)

スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

- | | - | -
リーガルハイ・スペシャル


リーガルハイ・スペシャルは医療訴訟という難解なテーマだと知った時、
いやがうえにも期待が高まり放送日が待ち遠しくてならなかった。
放送前にスペシャル対談を読むと古美門の好敵手として
九條というキャラクターが登場すると書いてあり、
その人物は男クサくて少しすねている感じだが、
根は正義感に溢れ、ブラック・ジャックのような人物だという。
スペシャル対談が掲載された当時は九條の配役が発表されておらず、
一体誰なのか興味津々だった。
九條が大森南朋さんだと知った時、嬉しいと同時に少し動揺した。
タモリさんに「日本の俳優の中で一番男としての色気がある」
と評され、強烈な個性の持ち主である。
卓越した演技力の持ち主である堺さんですら
喰われてしまうのではないか?と危惧を抱いた。
案の定大森南朋さんに分があるように思えた、あの場面までは。

仲原さやか(吉瀬美智子)の夫は難病ハイムリック・ルーゴル症候群で
入院中だったが、未承認の新薬Zmabを投薬した3日後
心不全で亡くなってしまい、さやかは九條に弁護を依頼する。
さやかの依頼を受け医療過誤の裁判を行うことになった九條だが、
裁判経験が少ない為、最初は苦戦を強いられる。
そこで九條はやり方を変えハイムリック・ルーゴル症候群の権威である
赤目院長のスキャンダルをあげつらい争う手法に出た。
思わぬ九條の反撃に古美門は
「目には目を歯には歯を。スキャンダルにはスキャンダルを。」
と下世話なネタでやり返す。
過去に何度も交際相手へ言いがかりをつけ
慰謝料を取っていたさやかを貶める。
21歳の時にキャバクラで働き始める。
そこで知り合った男性と恋に落ち、
最初の結婚をするもののわずか半年で離婚。
結局慰謝料を50万円ほど受け取ったそうですが、
心の傷は言えませんよねぇ。
その翌年には交際していた男性に妻子がいたことが
発覚しましたねぇ。ショックだったでしょう!
「あなたはすべてを知っていた」と男性側は主張したそうですが、
そんなはずはありませんよねぇ。
結局200万円ほどあなたに支払い和解したそうですが、
金を貰ったところで心の傷は言えませんよねぇ。
同じ頃、別の男性からもDVを受けていて
そちらからもいくらか貰ったようですねぇ。
いくら貰ったか知りませんが、
いくら貰ったところで心の傷は言えませんよねぇ。

更に古美門は畳み掛ける。
ええと、また別の男性からは
言葉の暴力を受けたことによる精神的苦痛をとこれも慰謝料を。
そして暴力団関係者とも長い期間交際して…

古美門の口撃は尚も続く。
今度”は“!今までも本当でしょう!
まさかあなたが言いがかりをつけて金をむしり取る常習犯だなんて
これっぽっちも思っていません。

古美門は無情にもとどめを刺す。
御主人が亡くなってまだ一年だというのに
これは良かった!今度こそお幸せに。

そう言いながら九條とさやかのツーショット写真をばら撒いた。

古美門の毒舌は今更始まったわけではないが、このシーンの古美門は惨く
これでもかこれでもかと容赦なくさやかを攻め立てる様を見て
私は「九條とさやかが勝てば良いのに!」と思った。
そして、すぐに気付いた。
古美門に対し憎悪の感情を抱かせた堺さんの演技はやはり凄い!と。
堺さんの強みの一つは品の良さと真面目な所だが、
これは同時に弱点だと私は思っていた。
品の良さが邪魔をして人間の悪意・汚さ・醜さは
表現出来ないと思っていたからだ。
この場面を見て最低のクズ人間でも堺さんなら演じることが出来る、
演じ切れない役はない、と確信した。

さやかの証人尋問の後の展開はどうなっていくんだろうか?
九條と血を血で洗う泥沼裁判になっていくんだろうか?
今までにない「リーガルハイ」を期待していたが、悪い意味で裏切られた。
「患者を救いたくない医者なんて居るのですか?
あの方(赤目院長)の真実はどうなのですか?」
と言った服部(里見浩太朗)の一言で黛が動き出し、
古美門はつられて赤目院長の弁護を再び行うが、
この言葉は綺麗事に過ぎない。
患者を救うよりも地位、名誉が大事な医者は少なからずいる。
赤目院長の本人尋問では倒れた本人に代わり古美門は真実を話す。
古美門の最終弁論を聞き感動された方は多いだろうが、
私は取ってつけたように思えてならなかった。
あれだけ卑怯な手口を使った古美門が打って変わり
したり顔で「医は科学である」「死は希望だ」
と正論を吐くのにも違和感があった。
「医は科学」はその通りだと冷静に受け止めることが出来る。
しかし、現代の医療は死屍累々の上に成り立っているとはいえ、
愛情を注ぎ苦楽を共にしてきた家族が亡くなり
「死は希望だ」と言われたら憤懣やるかたない。
家族を病で亡くした人ならばこの言葉に少なからず反感を持つと思う。
そんな訳で感動するはずの古美門の最終弁論が空々しく感じた。
どんでん返しもなく清く正しく終わった
「リーガルハイスペシャル」はどうにもしっくりこないが、
冒頭とラストでコミカルな古美門を楽しめたから良しとしよう♪
sakai | 21:51 | - | -
CALENDAR
S M T W T F S
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031   
<< December 2014 >>
SELECTED ENTRIES
RECENT COMMENT
TRACKBACK
CATEGORIES
ARCHIVES
LINKS
PROFILE
SPONSORED LINKS

拡大地図を表示