JR堅田
坊村−御殿山−武奈ヶ岳−八雲ヶ原−イン谷口−JR比良
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紅葉に彩られた武奈ヶ岳は美しいという評判を聞き、
2年前の10月下旬に友人と2人で坊村から山頂を目指した。
紅葉のピークは少し過ぎていたが、カエデや武奈ヶ岳の由来となったブナが
鮮やかに色づき私達の目を楽しませてくれた。
毎年あの美しい景色を見たいと思ったが、大阪からは少々遠い。
去年は行けなかったけれど、今年は突然思い立って夫を誘い登る事にした。
しかし、一抹の不安があった。
武奈ヶ岳(1214m) は日本二百名山の1つで、美しい山容と
頂上からは360度の展望を楽しめて人気の山だが、
7年前に夫と2人で初めて登った時、道に迷いそうになり
侮ってはいけない山という事は十分わかっていた。
山頂からJR比良まで下山するルートは4時間以上掛かり遭難事故が多い。
しかも夫はその頃と違い登山から半分足抜けしている。
そのような夫と2人で武奈ヶ岳に登って大丈夫だろうか。
いざという時の為にヘッドランプに懐中電灯、非常食、
携帯ダウンジャケット等々を持ち、坊村の登山口へ向かった。
JR堅田から江若バスに乗り坊村へ。
坊村⇔武奈ヶ岳を往復するルートが一番安全かもしれないが、
帰りのバスに間に合わす為には早足で歩かなければならない。
それは大変だとバスの発車時刻を気にせずに済む琵琶湖側へ下りることに。
急勾配の山道を3時間半登りやっと西南稜が見えてきた。
錦の絨毯とまではいかないが、
武奈ヶ岳の廻りは色鮮やかな風景が広がっている。
私が新しい登山靴に慣れていない為、予定より30分遅く山頂に到着。
過去2回武奈ヶ岳に登っているが、こんなに良い天気は初めて。
快晴の青空の下で琵琶湖や遥か遠くに白山が見える展望を楽しんだ。
風もなく暖かかったので、ゆっくりと昼食を摂る。
そのせいで下山し始めは午後2時と遅かった。
これが元で大変な目に遭うとは思いもせずに。
山頂に祭ってあるお地蔵さんに無事下山出来るよう手を合わせた。
八雲ヶ原はススキがたなびき美しい。
しかし、この辺りは道に迷い易く遭難の多い所なので
気を引き締め北比良峠へ向かう道標を探す。
北比良峠に着いた頃は陽が傾きかけていた。
急ぎ足で駆け下りたが、中々イン谷口に辿り着けない。
道は合っていると確信しながらも
下山途中に何度か「遭難」という文字が頭をかすめる。
イン谷口に無事着いた時、辺りは真っ暗闇だった。
土日祝はJR比良までバスが運行しているが、
平日は休みで、しかも最終は午後4時40分。
仕方なく重い足を引きずりながらJR比良まで1時間歩くしかなかった。