大奥
監督:金子文紀
出演:堺雅人、菅野美穂、尾野真千子、柄本佑
要潤、桐山漣、三浦貴大、宮藤官九郎、西田敏行
上映時間:124分
● ストーリー
男女逆転の世が誕生して30年。
時は元禄、五代将軍綱吉(菅野美穂)の時代。
徳川の治世は最盛期を迎えていたが、大奥では後継者を巡って
正室と側室の激しい派閥争いが起こっていた。
そこに、京から一人の公家がやってくる。
その男・右衛門佐(堺雅人)は類まれなる野心と
才覚で巧みに綱吉に取り入り
総取締として大奥での権勢を掌中に収めていく。
一方、一人娘の松姫を亡くした綱吉は、政から遠ざけられ
世継ぎ作りに専念させられることに。
だが、夜ごと大奥の男たちと閨を共にするも一向に懐妊しない綱吉は
次期将軍の父の座をめぐり陰謀渦巻く大奥で、孤独と不安に苛まれていく。
妄執にとらわれた父・桂昌院(西田敏行)に従い
“生類憐みの令”を発令するも、国は乱れていくばかり。
運命に翻弄され、生きる気力をも失った綱吉に手を差し伸べたのは
人知れず綱吉を見守り続けていた右衛門佐だった。
ついに心を通わせたふたりが、最後に辿り着くのは……。(チラシより)
● レビュー(ネタバレあり)
私は恋愛物が苦手である。
どこでもええことをクチャクチャと下らない、内輪で言えば
と思っているので、堺雅人が出演していなければ
ドラマも映画も見る事はなかっただろう。
そんな訳で「大奥」試写会へ1人で行くのは
気恥ずかしく悪友に頼んでお付き合い願った。
さて肝心の映画だが、端折っても良いエピソード、
綱吉が牧野成貞の夫・阿久里を閨に召す場面に時間を割いたものだから
テンポが悪く、前半は間延びして退屈だった。
しかし後半に入り、右衛門佐と桂昌院が対立する辺りから
テンポが良くなって見せ場も多い。
野犬に許婚を噛み殺された浅沼が閨で綱吉殺害を謀るが
寸前の所で秋本に阻止され、腕を切り落とされてしまう。
ところが映画は原作と違う。
右衛門佐が一刀両断で切り落とす。それが格好良かった。
そして紆余曲折の末、右衛門佐と綱吉はやっと結ばれる。
結構
XXしいのだが、厭らしさは全くなく
私は暖かいものを感じ、少し涙した。恋愛物が苦手だと言った癖に。
ただラストは頂けなかった。
2人が結ばれた後、嫉妬に狂った柳沢吉保が
綱吉の首を絞める場面があるけれど、その場面を入れず
一気に右衛門佐の死へ持って行って欲しかった。
いらぬ場面を挟んだお陰で涙が乾いてしまったではないか。
一緒に見たSちゃんは「眠くなる程、つまらなかったけど
堺さんの演技力に救われてギリギリセーフやね。」と言っていた。
おまけに烏帽子姿やお茶を点てる場面もあり、様々な堺雅人が見れる。
まるで堺雅人のプロモーションビデオのようだ。
ファンだったらそれだけで満足出来ると思う。