先日、職場の同僚と計3人で登山に出掛けた。
場所は高槻市と京都市西京区の境にあるポンポン山である。
山頂で昼食を済ませた後
善峯寺へ向かって下山中、不気味な目に遭った。
ジグザグの舗装道を下っていた時
20〜30才くらいの男性が私達に声を掛けた。
「今から頂上まで登ったらどれくらい掛かりますか?」
山頂から善峯寺まで下りで1時間15分掛かる。
登りならば2時間は掛かるだろう。山頂に到着するのは夕方だ。
私達は口々に今から登るのは無謀だと言った。
それを聞いた男性は
「今から登るのは無理なようですね。止める事にします。」
と言いながら私達と歩調を合わせて下り始めた。
そしてやたら話し掛けてくる。
暫らく雑談に応じていたが、男性のいでたちを見ると登山姿ではない。
ライダー服にボディバッグだ。
怪訝そうに見る私に気付いたのか彼は言った。
「急勾配の道を上がってきたので
バイクのバッテリーが上がってしまったんです。」
だからと言って山に登るのは不自然だ。
もしかして良からぬ事を企んでいるのではないか
私達の内1人は20代前半の女性だ。
廻りに他の登山者はおらず、人里まで遠い。
あれこれ想像しては冷や汗が滲んだ。
なぜ私はその男性に対して警戒し始めたのか。
ポンポン山から然程遠くない所で起こった
気味の悪い殺人事件を思い出したからだ。