京都の
穴子すし丼 を食べていた時のこと。
私と次女の他に店内にいたのは
祖母、母親、小学校低学年の女児の3人連れだった。
さか井の店内はかなり狭く、女3代と女将さんの会話が筒抜け。
母親が女将さんに向って娘自慢。
「この子はテレビを全く見はれんへんのよ。 本ばっかり読んではるの。」
「マンガを読むとバカになっちゃうしね。」
自分の娘に敬語を使う方がバカちゃうかと思いつつ
穴子すし丼を黙々と頬張るのみ。
(関西弁では 「見る」 の敬語が 「見はる」 になる。)
食べ終わってさか井を出た後、次女に向かって私は息巻いた。
「ウチんちはマンガ読み放題やったけど、
へ行ったやん。」
次女はそれを聞いて ゛おかんは母親として何もしなかった
お姉ちゃんと私はおかんのようになりたくないと頑張っただけ
おかんは反面教師 ゛と言いたい放題。
確かにその通りで愚の音も出ないが
私なりに考えがあって放任主義をとっていた。
亡き母はPTAなんて
食らえ―
と思っている私と大違いでPTA活動が大好き、おまけに教育熱心。
しかも近所に住む同年齢の子供と成績を比べるから質が悪い。
将来母親になった時、自分の子供を他所様の子と
比べるまいと固く心に決めていた。
仲良しの友人よりテストの点数が悪いと母は烈火の如く怒り
ドリルを持って廊下を追い掛け回すのだ。