12月に入ってから寒風吹きすさぶ日が続いているのに
今頃、「秋の宮島」とは何事か
と思われるだろう。
宮島に行った日は11月末で、宮島(広島)と言えばもみじ饅頭
もみじ饅頭と言えば紅葉、紅葉と言えば秋、秋と言えば秋の宮島と
そう思って行ったのに、宮島にはほとんど紅葉が無かった。
宮島へ行く前に立ち寄った原爆ドームの傍を流れる
元安川の川辺にも紅葉は無かった。
紅葉なくして何が秋の宮島だ
「もみじ饅頭」が生まれたのは広島が日本を代表する紅葉の名所だから
と思い込んでいたが、それは間違いだった。
日本随一の紅葉の名所でもないのに
何ゆえ広島の銘菓が「もみじ饅頭」なのか。
「もみじ饅頭」誕生は伊藤博文の下世話な冗談からだった。
伊藤博文は度々宮島にある紅葉の美しい
紅葉谷 を訪問していたが
その入り口にある茶店に立ち寄り、お茶を差し出した可愛い娘の手を見て
「この紅葉のような可愛い手を食べてしまいたい。」と言ったとか。
伊藤博文が宿泊していた旅館「岩惣」に納品している
和菓子職人・高津常助は伊藤博文の冗談話を耳にして
もみじの葉を模った饅頭の製造に着手、
試行錯誤の末に現在のもみじ饅頭の原型となる
「紅葉形焼饅頭」が明治39年に完成し販売されたというわけ。
そんな切っ掛けで「もみじ饅頭」が生まれたとは
ところで紅葉谷は宮島にあるらしいが、一体どこにあったのか。
帰ってから調べたところ、紅葉谷は弥山原始林の麓にあり
宮島桟橋から徒歩20分もかかる。
そこまで同行者のSちゃんが付き合ってくれるはずがなく
どちらにせよ、宮島で紅葉を見るのは不可能だった。